全世界が、ある、怖ろしい、見たことも聞いたこともない疫病の生贄になる運命にあった。疫病は、アジアの奥地からヨーロッパへ広がっていった。ごく少数の選ばれた人々をのぞいて、だれもが死ななければならなかった。出現したのは新しい寄生虫の一種で、人体にとりつく顕微鏡レベルの微生物だった。しかもこの微生物は、知恵と意思をさずかった霊的な存在だった。この疫病にかかった人々は、たちまち悪魔に憑かれたように気を狂わせていった。そしてそれに感染した者たちは、病気にかかる前にはおよそ考えられもしなかった強烈な自信をもって、自分はきわめて賢く、自分の信念はぜったいに正しいと思いこむのだった。人々が、自分の判断、自分の学術上の結論、モラルに関する信念、そして信仰を、これほどまで確信したことはかつてなかった。
—『罪と罰3』亀山郁夫訳(光文社古典新訳文庫)p453。 (via enjoetoh)
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(Quelle: ways-ca, via a158-notes)
